こんにちは、埼玉県川口市で活動する買主に寄り添ったバイヤーズエージェント川口不動産情報館(リプロ)のブログ担当です。 既存住宅売買瑕疵保険シリーズ2回目です。

実は瑕疵保険は保険内容や保証範囲が過剰に認識されているという問題があります。前回の話で出た「雨漏れだったら大丈夫」はすべての状況に当てはまるわけではありません。具体的な手続きなどの話の前に、既存住宅売買瑕疵保険の背景と目的をご説明します。

調査太郎「チュースケ君は新築住宅の保証って聞いたことあるかい?」

チュースケ「よく10年保証とか聞きますよね。長期間なのに保証してくれるしっかりした会社なんだって思ってました。」

調査太郎「消費者の「保証」という言葉に対する好印象は凄いね。新築の10年保証って特別なことでも何でもない、むしろ義務って知ってた?」

チュースケ「えっ。義務なんですか?」

調査太郎「じゃあその辺の話から瑕疵保険が作られた背景を説明しようか。」

品確法10年の責任では補いきれなかった

調査太郎「まず新築の義務についてだけど、そもそも建築会社は建てた家に対して引き渡しから10年間の保証が義務になっている。品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)という法律があって、住宅購入者のセーフティネットとして機能している。」

チュースケ「10年間って安心ですよね。」

調査太郎「多くの人がそう思ってた。 でもこの10年保証には問題があったんだ。建築した会社が倒産してしまうと保証が切れてしまうんだよ。」

チュースケ「建築会社の経営状態なんてわからないですよね。やっぱり家を建てるなら有力ビルダーがいいってことですか?」

調査太郎「ところがそうではなかった。当時かなり手広く事業を展開していたビルダーが相次いで倒産したという事件があった。この問題は契約済みで未施工という非常にかわいそうな施主にターゲットを置いた報道が多かったが、同時に新築の保証が切れてしまうというリスクが明確になった事件でもある。」

チュースケ「有力ビルダーでも倒産するんですね。」

調査太郎「大手だから安心という先入観は捨てた方が良いよ。この問題を解決するのが住宅瑕疵担保履行法という法律になる。わかりやすく言うと、建築会社は建物を新築するに当たって、瑕疵保険に加入するもしくは、相応の額を供託することが義務化された。万が一建築会社が倒産しても、トラブルを解決できる資力を確保する目的の制度になるね。」

チュースケ「問題が起きても保険があれば安心ですね。」

調査太郎「これで事業者の倒産という制度の穴が塞がれた。建築に関する紛争支援の仕組みもあるから昔に比べたら安心して家を建てることができるね。」

現況有姿 中古なら不具合があって当たり前?

調査太郎「しかし、世の機運はこれまでの建てては壊しの繰り返しから、あるものを有効利用しようという流れに変わってきた。国交省も新築中心の住宅政策から大きく舵を切って、既存住宅流通市場の活性化に本腰を上げることになった。」

チュースケ「でも中古住宅は新築と違って不安がいっぱいですよ。」

調査太郎「そこで国交省が当時の瑕疵保険法人に既存住宅版の瑕疵保険を作るよう号令をかけた。そして紆余曲折あって、既存住宅売買瑕疵保険が誕生したという訳だ。」

チュースケ「じゃあ、中古住宅でも新築のように安心ってことですね。」

調査太郎「そう思っている人も多いけど、残念ながら違う。中古はあくまで中古だから、完成品を販売する新築と違って、売主に及ばない責任が存在する。現況有姿って聞いたことある?」

チュースケ「ありません。字を見るとそのままって意味でしょうか。」

調査太郎「そうだね。今の状態で取引しますよっていう意味で使われる。語弊を恐れずに言い換えると、見たままの状態の取引だから、後から文句言わないでねっていうことになる。」

チュースケ「それって酷くないですか?」

調査太郎「ところがこの考えは一般的だ。中古だから問題があって当たり前だろう、と。 色んな保険・保証があるからわかりにくくなっているけど、中古に対する取り扱いは他の業界でも同じだと思う。」

チュースケ「中古の瑕疵保険ができても安心できないんですか?」

調査太郎「まず新築と中古には法的な責任における明確な差がある。保険があるからといって、中古住宅が新築になるわけではないから。ものすごく遠回りなような説明だったけど、結構重要で、名前が似ているから同じに考えてしまう人が多いけど、それは正しい捉え方ではない。中古はあくまで中古だから、新築よりも買主(消費者)が担う責任が重い。そのことをきちんと理解できないと、避けられるはずのトラブルに巻き込まれる可能性もあるし、法的に誤った判断でクレームを起こして、精神的に疲弊してしまう恐れもある。」

チュースケ「何でもかんでも事業者が提供してくれるわけではないってことですね。」

調査太郎「一般的な認識が偏っているから変な書き方をしたけど、新築だって消費者が選択した責任は生じるわけだから、過剰に煽るつもりはないんだ。でもそういったことを加味しても、住宅においては、瑕疵の問題に関する消費者の認識が偏り過ぎている。過剰に期待して、法を盾に事業者に逃げられて、結局泣き寝入り…。まさに0か100の状況だね。実際の取引では妥協点があるのに買主が勝手に諦めることが多い。」

チュースケ「先日の友人の件ですね。あの時は助かりました。 結局、取引経緯での仲介会社の説明不備を太郎さんが見つけてくれたおかげで、補修費用を仲介会社が出してくれることになったんですよね。」

調査太郎「あれはたまたまだね。補修費用も思ったほどじゃなかったから、これ以上騒ぎを大きくしたくないという思惑の方が強かったと思うよ。現況有姿だからといって逃げられていたころに比べたら、中古住宅も安心して買えるようになっているわけだけど、だからと言って業者が何でもかんでも責任を負うというのとは全く違うよね。ご友人は中古住宅を購入する上で知っておくべきことを知らなかった。の責任から逃れることはできない。今回の件は本当にたまたまだった。そしてご友人は瑕疵保険に入っていれば嫌な思いをすることもなかったんだよ。」

チュースケ「そういえばあの時なんか友人にアドバイスしてましたよね。何ですか?」

調査太郎「ああ、屋根・外壁のリフォームをお勧めしたんだ。ついでにリフォーム瑕疵保険の使い方も教えてあげたんだ。」

チュースケ「リフォームにも瑕疵保険があるんですか?」

調査太郎「あるよ。ちょっと脱線しすぎたからこの話は一旦切るけど、中古の戸建てを購入する際の屋根・外壁リフォームは結構重要な要素になる。また、リフォーム瑕疵保険の件はかなり上級者のアドバイスになるんで、機会があったら説明するよ。」

検査と保証が一体となった消費者保護の制度

調査太郎「さて話を戻そう。」

チュースケ「紆余曲折あって既存住宅売買瑕疵保険が誕生したってところですね。」

調査太郎「新築の瑕疵保険と既存住宅売買瑕疵保険は違う保険商品だ、という認識が大切なんだ。」

チュースケ「あくまで中古だから瑕疵保険といっても安心ではないんですよね。」

調査太郎「さっきは少し寄せた書き方だったけど、実はそうとも言いきれない。
確かに責任の区分で言うと新築の方がわかりやすいし安心だ。でも既存住宅売買瑕疵保険は保険の内容だけでなく、仕組みでその壁を乗り越えた。」

チュースケ「どういうことですか?」

調査太郎「既存住宅売買瑕疵保険に加入するには、専門の建築士による調査が必要なんだ。保険法人が定めた基準をクリアしないと保険に加入できない。何かと似ているように思えないかい?」

チュースケ「耐震基準適合証明書ですね!基準をクリアしないと証明書が発行できません。」

調査太郎「既存住宅売買瑕疵保険は保険商品もさることながら、加入に際しての性能基準や調査方法を確立したことが大きい。今はまだ浸透していないけど、既存住宅流通の世界では本当に大きな進歩だったと言えるね。ちなみにこの調査方法は、2018年の改正宅建業法改正で定義された既存住宅状況調査の礎になっている。」

チュースケ「それほど大きな出来事なんですね。」

調査太郎「簡単に言うと瑕疵保険の検査基準のテーマは「劣化」なんだ。これまで明確なものさしが無かった分野で、基準を設けたことは本当に大きい。瑕疵保険に加入できる=劣化基準をクリアしていると判断できるからね。中古だから不安を、「瑕疵保険に入れる」「瑕疵保険に入れない」という二つに区分できるのは本当に重要な意味を持つんだ。」

チュースケ「瑕疵保険に入れない物件は選ばない方が良いってことですか?」

調査太郎「それは違う。 耐震と同じで基準に満たない場合は直せばいいだけだ。瑕疵保険基準をクリアするのに必要な改修費用が、住宅購入の意思決定に重要な情報だということだよ。目の前にある雨漏れ跡がどれくらい影響があるのかは素人には判断できないけど、お金になったら明確だろう?」

チュースケ「数万ならいいですけど、100万円かかるって言われたらその物件を購入しても良いのか考えますよね。」

調査太郎「国は瑕疵保険のことを「検査と保証が一体となった制度」と表現することが多いんだけど、ここが本質で、瑕疵保険とインスペクションは本来不可分なんだ。でもそもそも任意の制度だし、手続きのプロセスの問題もあって、インスペクションだけが先に行き過ぎているのが現状かな。極端だけど、保険が前提でないインスペクションはあまり意味がないと判断しても問題ないと思うよ。」

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