建物には数種類の図面がありますが、図面には何が書かれているのかがわかると現地でのチェック項目も減ると思います。
まず設計図書とは、建築工事を行うために必要な各種の書類のことであり、図面や面積表、仕様書などです。
図面には平面図だけでなく、配置図、立面図、断面図、短計図などがあります。
このうち短計図は、重要な部分をより詳細に記載した断面図で、階段の寸法や屋根の勾配などが示されています。
また室内の四方の壁を内側から見た展開図や、建物の構造を上から見下ろした状態を示した伏図、コンセントの位置や給排水管の経路などを示した設備図、敷地の外まわりを示した外構図などがあります。
一方で仕様書には、図面では表せない工事方法や構造などが文章や数値で示されてます。仕様書の内容は、工事金額にも大きく関わるため、詳細にチェックする必要があります。
なお、フラット35の技術基準に対応した「木造住宅工事仕様書」が一般に刊行されているので、計画している住宅と比較されると良いと思います。
建物は設計図書の通りに建築されていきます。したがって専門家として建築主から相談を受けた場合には、建築工事請負契約を交わす前に、設計図書が本当に建築主の希望通りの内容になっているかどうかを一つひとつ確認しなければなりません。
具体的には、配置図では道路と敷地の高低差や玄関ポーチまでのアプローチ等を、平面図では各室の寸法やドア・窓の位置・大きさ・開閉方法等を、立面図では外観のデザインや雨戸の有無、屋根や庇の形状法等を確認します。
展開図では、キッチンカウンターの高さや造り付け家具の扉の開き方、コンセントの位置などを確認します。
また、設備図では、コンセント・照明の位置や数、キッチン・浴槽・トイレ等の水廻りの配管・給排水の状態、換気扇や冷暖房設備、排気口の位置などをチェックできます。
外構図では、植栽の種類や位置・大きさ・駐車スペースの仕様等を確認できます。
仕様書では、各室の仕上げ材や仕上げ方法、別途工事の内容、特記事項などに特に注意する必要があります。
中古の場合は全ての図面は見られない場合も多くありますが、何が記載されているかを知っておくと良いかと思います。
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